1.一人複数ポジション

可能性をひらく

高校の監督「おいお前、外野やってみろ!」
選手「はい!」(外野なんてやったことないのに・・・)

高校野球に進むとこういうことがあります。そのため相模原ボーイズでは一人が必ず二つ以上のポジションを練習します。他のポジションの色々な動きをすることで、自分がメインで守るポジションでの動きが良くなることもあります。また、他のポジションの選手の気持ちを知ることができるのでプレーの幅も広がります。
小学校では外野しか守ったことのなかった選手がサードを守ったり、ピッチャーなんてやったこともなかったという選手がピッチャーになったりするのが相模原ボーイズの面白いところです。

「小学校ではやりたいポジションを守れなかった・・・」
「実はピッチャーやってみたい!」
「まだ自分のポジションがわからない」

相模原ボーイズにはチャンスがたくさんあります。最終的にどのポジションがメインになるかはわかりませんが、努力して自分の想いを伝えれば、チャンスは必ず与えられます。

たくさん経験してその中から、自分の武器を見つけましょう。

負担の分散

相模原ボーイズでは必然的にピッチャーが多くなります。そのため、一人のピッチャーが一試合を完投するということはほとんどありません。ここ2,3年の公式戦で一人が完投した試合はないに等しいです。

ピッチャーやキャッチャーなどの体に多くの負担がかかるポジションを守れる選手が複数いるというのも「一人複数ポジション」のメリットの一つです。

2.学年15人制

人数が少ないことを心配されることが良くあります。この点についてお話しします。

出場機会

野球は失敗のスポーツです。成功の確率を上げるには失敗の経験が必要となります。

人数の多いチームでは、その失敗体験を多く積むことができません。当然、出場機会が減れば、成功体験の数も少なくなってきます。

ある高校の監督は「中学生の頃は例えチームが弱くても試合に多く出られるところでやるのが良い」と言います。また、プロ野球のあるチームではどんなに成績が出なくても野手には二軍で約1000打席を経験させるようにする傾向があるようです。

野球の上達には経験が必要不可欠なんです。そう考えると相模原ボーイズは人数が多いとは言えませんが(多くても一学年15人)、中学野球の環境としては悪くないのではないかと考えています。

3.指導者との会話

相模原ボーイズで一日を過ごすと、指導者から声を掛けられることが非常に多いです。これ、当たり前のようですが、とても大事なことなんです。

しかも、「はい」「いいえ」で終わるような会話がないのが特徴です。必ず何か内容のある会話をしています。

高校野球に進むと、指導者との会話が一言もない日が少なくありません。高校生になれば自分で考えることができるのでそれでもいいのかもしれませんが、中学生はそうではありません。会話をすることは選手にとっても指導者にとっても、大事なことなのです。

相模原ボーイズでは会話を大事にしています。それは野球のプレーはもちろん、高校野球、さらにその先でも欠かせないスキルです。

中学3年生になると中には指導者に冗談を言える選手も出てきます。礼儀、正しい言葉遣い、話を聞く姿勢を身につけるのは当たり前。相模原ボーイズでは、さらに大人と会話をする力を育むことができます。

4.指導者との野球ノート

相模原ボーイズでは毎週末「野球ノート」の提出があります。指導者は一人一人のノートをチェックしてコメントを書き込んで返却しています。

選手はこのノートにいろいろなことを書きます。自分の事、チームメイトの事、学校での出来事、家族の事、内容は自由です。
「家族で旅行に行きました」
「学校で体育祭の練習がありました」

もちろん、野球のことについても書いています。今回は特別に部員のノートを借りてきました。

中学1年生の6月半ばのノート
中学1年生の7月のノート

このように自分の想いを言葉にしています。

ノートは自分と向き合う場所であり、監督との会話の場所です。野球ノートを続けていくことで、自分の想いや考えていることを言葉にすることができるようになります。文章を書くことが苦手だった選手も、段々と大人の文章を作ることができるようになっていきます。また、これは文章力だけでなく普段の会話にも良い影響となります。

監督からは一日一言で良いと言われているので、継続力もついています。